PDISニュース

国立遺伝学研究所の支援・高度化のおもな取組

国立遺伝学研究所/お茶の水女子大学 由良 敬

 情報拠点では、国家プロジェクトなどでこれまでに構築されたデータベースとツールを継承し、解析拠点と制御拠点さらには構造生命科学関連の研究者に利用してもらうとともに、構造生物学にゲノム情報や遺伝子発現情報、遺伝子ネットワークなどの他分野の生命情報を取り込み、多種多様なデータベースを利用形態の差異を意識することなく活用できる「構造生命科学データクラウド」VaProSを開発し、http://p4d-info.nig.ac.jpで公開しています。これらのシステムを通して、広く研究支援を行っています。

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 構造生命科学データクラウドVaProSは、複数のデータベースを連結することで実現した、構造生命科学に関する知識体系です。研究対象となっている現象や分子、疾患の名称で検索を実行すると、20以上のデータベースを同時に横断検索し、その結果を分子に関連づけて表示します。検索結果からは、今まで把握していなかった事項や他分子との意外な関連が見え、研究の次のステップを考えるための材料が得られます。VaProSがどのように利用できるのかを広く知ってもらうことを目的に、年に数回のVaProS講習会を開催しています。また5月には、第1回VaProS大会を開催し、参加者(PDIS内)は遺伝研に1週間泊まり込んでデータ解析を行いました。この成果は、今年度中に論文として公開するとともに、来年度もVaProS大会を開催することを検討しています。

 情報拠点では上記活動とともに、事業内部の情報共有をめざして、メールマガジン(季刊)を発行しています。また、更なる情報共有のために、メールでのPDISニュースウオッチ(週刊)の発信を予定しているとともに、近くPDISのホームページの改修と事業のパンフレット作成(事務局との共同)を計画しています。

 情報拠点では、インターネットを活用した情報提供により生命科学研究者への支援を実施し、よりよい支援ができるようにするために技術の高度化を行っています。

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