A1-19 筑波大タンパク質クライオ電子顕微鏡構造解析支援

ユニット名

構造解析ユニット

支援担当者

所属 ① 筑波大学 生存ダイナミクス研究センター
② 筑波大学 生存ダイナミクス研究センター
氏名 ① 岩崎 憲治
② 原田 彩佳
AMED
事業
課題名 生命科学と創薬研究に向けた相関構造解析プラットフォームによる支援と高度化
代表機関 理化学研究所
代表者 山本 雅貴

支援技術のキーワード

クライオ電子顕微鏡、ネガティブ染色法、単粒子解析、CRYO-ARM 300II、相互作用解析

支援技術の概要

  • 筑波大のクライオ電子顕微鏡(日本電子製 CRYO-ARM 300II, CRYO-ARM 200)を利用したデータ測定支援(自動測定ソフトはSerial EMまたはJADASを利用)
  • 必要に応じて、筑波大スタッフが氷包埋試料作製からデータ測定までサポート
  • 必要に応じて、クライオ電顕観察に向けた、ネガティブ染色法による試料作製条件検討の支援
  • 小分子のクライオ電子顕微鏡観察に向けた検討支援
  • CRYO -ARM200を用いた電顕操作法取得のための教育支援を実施
  • リモート測定も実施可能 (画面共有を通して相談しながら進める)
  • 日本電子社からの継続的なサポート体制を完備し、常に万全の状態の装置を提供
  • 複合体観察のためのBiacore T200による相互作用解析支援
  • 支援技術の利用例

  • 加速電圧120kVのJEM1400を利用したネガティブ染色法により、簡易かつ迅速にタンパク質分子の性状確認を実施しクライオ電子顕微鏡によるデータ収集が可能かどうか判断をする。分子量が30K程度のタンパク質でもネガティブ染色法では観察可能。溶液条件や試料作製時にけるコンストラクトまでアドバイス。
  • 比較的形状の揃った単分散状態としてネガティブ染色法で観察されたタンパク質について、Vitrobotまたは EM GP2により氷包埋試料を作製。
  • 作製した氷包埋試料について、氷の厚みと粒子の有無・分布等を確認し本測定へ進むかどうか判断。
  • Holeyカーボン支持膜を使用した場合、数百から数千個のholeを選択してデータ測定実施。1時間で300枚程度のデータ収集が可能。
  • 支援担当者の研究概要

    当施設代表者は、前BINDS(2016年度~2020年度)においてBINDS初のクライオ電子顕微鏡共用施設導入に現場サイドで尽力し、鏡像対称をもったナノケージの構造解析(Nature, 2019)に成功するなど多数の成果を当時のスタッフとともに挙げた。この経験を活かし、筑波大にて新たな支援担当者とともに国産のクライオ電子顕微鏡cryo-ARM 300IIおよびcryo-ARM 200、そして加速電圧120kVのJEM-1400を武器に主に単粒子解析を目的とした支援を行っている。
    これまではクライオ電子顕微鏡による構造解析可能なターゲットの成果を創出してきたが、現在、分子生物学、細胞生物学、基礎医学などを武器に滑膜肉腫の病因となるタンパク質の解析に挑んでいる。最近においては、同じくBINDS事業内の東大・胡桃坂先生・堀越先生、三重大・谷先生、阪大・宮ノ入先生の協力を得て、病因である天然変性タンパク質がカウンターパートとの相互作用により三次元構造を形成することを原子レベルで明らかにした。しかもそれは非常に弱い相互作用だった。この結果は、世界初であり、病因解明に大きく寄与することは間違いない。同時に創薬のための基盤情報となる。このように「構造解析可能なターゲット」から「構造解析は難しいが創薬に必須のターゲット」へと研究を展開している。精製したタンパク質を扱うクライオ電子顕微鏡単粒子解析法では、試料の調製が非常に重要だ。そのため動物細胞発現系やバキュロウイルス発現系、高速液体クロマトグラフィー、蛍光顕微鏡など各種生化学・細胞生物学実験機器を揃え、さらにBiacore T200を保有し、ITC、RT-PCRなどのセンター機器と合わせて使用することで、分子間相互作用の測定も常時行っている。詳しくは以下のホームページツイッターをご参照ください。

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