A10-2 タンパク質の相互作用解析

ユニット名

構造解析ユニット

支援担当者

所属 ① 愛媛大学 プロテオサイエンスセンター
② 愛媛大学 プロテオサイエンスセンター
③ 京都大学 大学院生命科学研究科
氏名 ① 澤崎 達也
② 竹田 浩之
③ 宮川 拓也
AMED
事業
課題名 コムギ無細胞系とAirIDを基盤とした複合体生産・探索・解析技術の支援と高度化
代表機関 愛媛大学
代表者 澤崎 達也

支援技術のキーワード

相互作用解析、プロテインアレイ、AirID、複合体構造解析

支援技術の概要

・プロテインアレイを用いた複合体パートナー解析(担当:竹田)

最大2万8千種のヒトタンパク質を搭載したヒトプロテインアレイを用いた相互作用解析を支援する。AlphaScreen技術と1536プレートに対応したハイスループットスクリーニング技術を用いた相互作用スクリーニングにより、タンパク質や化合物の相互作用相手をプロテインアレイの中から迅速に探索することが可能。プロテインキナーゼ、プロテインフォスファターゼ、転写因子、エピジェネティクス関連因子、E3リガーゼ、フォーカスドアレイを用いた解析も提供可能である。

・AirIDを用いた細胞内・生体内相互作用タンパク質探索支援(担当:澤崎)

独自に開発した近位依存性ビオチン化酵素を用いて細胞内・生体内で標的タンパク質と相互作用するタンパク質を同定・解析する。進化工学的手法により設計されたAirIDは高い活性と特異性を両立し、毒性も低い次世代の近位依存性ビオチン化酵素である。具体的には、標的タンパク質にAirIDを融合し、細胞内や個体内で発現させる。AirIDによりビオチン標識されたタンパク質をストレプトアビジンプルダウンや質量分析により検出することで、標的タンパク質と相互作用するタンパク質を同定する。

・構造解析支援(担当:宮川)

生細胞異種発現系やコムギ無細胞合成系、高圧リフォールディング技術を用いたタンパク質生産、タンパク質複合体および薬剤等の低・中分子化合物との複合体の結晶化やクライオ電子顕微鏡単粒子解析等による構造解析を支援する。研究グループ独自の融合タグ・抗体タグや事業で高度化する複合体安定化技術を用いて、高品質な複合体構造解析を提供する。

支援技術の利用例

・機能不明な疾患関連タンパク質の複合体パートナーの探索
・責任酵素・基質の探索
・標的タンパク質や作用機序が不明な薬剤の標的タンパク質探索
・自己抗体・自己抗原バイオマーカーの探索
・不安定なタンパク質(薬剤)複合体の構造解析

支援担当者の研究概要

澤崎達也
無細胞プロテインアレイ作製技術とAlphaScreenを活用した大規模タンパク質-タンパク質間相互作用解析を行ってきた。また、近位依存性ビオチン化酵素AirIDを開発し、細胞内や生体内でのタンパク質-タンパク質間相互作用解析や薬剤依存的な相互作用解析を行っている。さらに、タンパク質-タンパク質間相互作用を指標とした責任キナーゼや責任E3リガーゼの探索を行っている。
https://www.pros.ehime-u.ac.jp/cell-free/

竹田浩之
タンパク質科学を基盤とした創薬技術開発に取り組んでいる。2万8千種のヒトプロテインアレイ、AlphaScreenやハイスループットスクリーニング技術を駆使し、タンパク質間相互作用探索や薬剤標的探索、バイオマーカー探索を実施している。他に、膜タンパク質の大量生産技術の開発、抗膜タンパク質抗体作製、サメVNAR抗体の開発などを進めている。
https://www.pros.ehime-u.ac.jp/proteodrugdiscovery/

宮川拓也
微生物・昆虫細胞等の異種発現系、コムギ無細胞合成系、高圧リフォールディング技術等により生産した、ヒト疾患関連タンパク質、植物ホルモン受容体タンパク質、有用物質合成酵素等の構造解析を行ってきた。X線結晶構造解析を基盤に多様な構造生命科学の手法を利用し、創薬を含む医農工分野への応用のため、分子構造に基づく生命現象の理解に取り組んでいる。

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