B8-2 メチロームとクロマチンアクセシビリティーの同時計測支援

ユニット名

発現・機能解析ユニット

支援担当者

所属 ① 九州大学 大学院医学研究院
氏名 ① 三浦 史仁
AMED
事業
課題名 メチロームおよび多重エピゲノム解析の支援
代表機関 九州大学
代表者 三浦 史仁

支援技術のキーワード

DNAメチル化、クロマチンアクセシビリティー、エピゲノム、NOMe-Seq

支援技術の概要

九州大学大学院医学研究院医化学分野の三浦グループは、メチロームとクロマチンアクセシビリティーの同時計測の支援を行う。独自開発してきたCCジヌクレオチドを特異的に認識してメチル化するDNAメチル基転移酵素(MTase)であるCCMTをプローブとして用いるNOMe-Seqを実施する。

クロマチンはタンパク質等がDNAに対して容易に接近可能な領域と、それが困難な領域がある。このようなクロマチンDNAへの接近のし易さをクロマチンアクセシビリティーと呼ぶ。クロマチンアクセシビリティーの高い領域はプロモータ等に散見されるため、その計測はエピジェネティックな遺伝子発現制御を考える上で重要な指標となり得る。クロマチンアクセシビリティーの高い領域にはMTaseも容易に接近可能である。つまりMTaseを作用させた後のクロマチンDNAのメチル化状態を計測することにより、クロマチンアクセシビリティーを推定することが可能となる。ただし、哺乳類の細胞には内在性のCGジヌクレオチドをメチル化するMTaseが存在するため、クロマチンアクセシビリティーをMTaseで計測する場合は、内在性のMTaseが作用する配列と区別することが可能な認識配列をもったMTaseを利用する必要がある。しかしながら、これまでそのようなMTaseは知られておらず、次善の策として認識配列がCGジヌクレオチドと一部重なるGCジヌクレオチドを用いるNOMe-Seqが利用されてきた。一方、当グループは最近CCジヌクレオチドを特異的に認識するCCMTを開発することに成功した。

CCMTの認識配列はCGジヌクレオチドのそれに決して重なることが無いため、より理想的なNOMe-Seqの実施が可能となったのである。本支援ではこの新しいMTaseであるCCMTを用いたNOMe-Seqの技術を提供することで、メチロームとクロマチンアクセシビリティーの同時計測を支援する。

CCMTの認識配列はCGジヌクレオチドのそれに決して重なることが無いため、より理想的なNOMe-Seqの実施が可能となったのである。本支援ではこの新しいMTaseであるCCMTを用いたNOMe-Seqの技術を提供することで、メチロームとクロマチンアクセシビリティーの同時計測を支援する。

支援技術の利用例

CCMTを用いたNOMe-Seq
0)コンサルティング
1)細胞のホルマリン固定(依頼者実施)
2)細胞の送付(依頼者実施)
3)CCMTによるメチル化フットプリンティング
4)HiTE法によるホルマリン固定した細胞核からのDNAの回収
5)DNAのクオリティチェック(DNA濃度測定、電気泳動)
6)PBAT法実施(1週間程度)
7)ライブラリーのクオリティチェック(リアルタイムPCR、電気泳動)
8)配列決定機関へのライブラリー送付(1~2ヶ月間)
9)配列データの受け取り、1次解析
10)解析結果報告
11)追加解析についての相談等

支援担当者の研究概要

九州大学大学院医学研究院では、これまで培ってきたメチローム解析技術を基盤技術として、多重エピゲノム解析の実現を目指した開発を進めている。独自に開発したCCジヌクレオチドを特異的に認識するDNAメチル化酵素(MTase)をエピゲノム解析のプローブとして用い、多重エピゲノム解析を実現する基盤技術の開発を進めている。これらの技術は確立され次第支援活動へと展開される予定である。

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