G1-6 薬物動態・毒性評価支援(in vitro

ユニット名

連携・融合ユニット

支援担当者

所属 ① 東京大学 大学院薬学系研究科附属創薬機構 構造展開ユニット
氏名 ① 金光 佳世子
AMED
事業
課題名 企業ノウハウとアカデミア支援経験に基づく創薬リード創製支援
代表機関 東京大学
代表者 小島 宏建

支援技術のキーワード

薬物動態、ADME、物性、コンサルティング、各種モダリティ濃度測定

支援技術の概要

製薬企業における創薬研究のエキスパート*が有する企業ノウハウを活用し、アカデミア研究者(支援依頼者)の創薬への想いを実現する。支援依頼者の見出したヒット化合物や研究内容についてヒアリングを行い、必要なADME**・物性データを取得することにより、創薬を進める上での課題の抽出や、非臨床POC¶を取得するための化合物選定・投与条件設定の提案を行う。

* 企業から出向の現役創薬研究者および企業での創薬研究経験者(出向者の守秘義務は帰任後も継続)
**ADME: 薬物動態(薬物の体内動態);決定因子の頭文字(吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion))をとってADMEと略記
¶ POC: Proof of Concept

【ヒット化合物等のADME・物性コンサルティングおよびADME・物性評価】

核酸医薬品などの新規モダリティを含むヒット化合物を起点とする創薬の方向性について、支援依頼者とADME・物性研究員および創薬化学研究員とがface to faceの相談会を行う。相談の結果に基づいて、以下に関する助言と提案を行う。

① 創薬を進める上での課題抽出

ヒット化合物のin vitro, in vivo 薬物動態、溶解度等物性プロファイルの評価を通して、創薬を進める上での課題抽出を行う。

② in vivo薬効試験実施化合物選抜・投与条件設定のための薬物動態試験の実施(東京大学・大阪大学との連携)

ヒット化合物が数種類ある場合、病態モデル動物と同種の動物を用いたin vivo薬物動態試験を行い、in vivo薬効試験実施の優先順位づけ、薬効を期待できる投与条件(投与ルート、投与量、投与頻度等)の提案を行う。in vivo薬物動態試験は、東京大学・大阪大学との連携で実施可能である。支援依頼者側で動物試験の実施が可能であれば、その際の試料をご提供いただき濃度測定・解析結果をお返しすることで、よりタイムリーな評価が可能となる。得られた結果については解釈や使い方を丁寧に説明し助言する。

詳細は、 https://www.ddi.f.u-tokyo.ac.jp/leu/を参照。

支援技術の利用例

① ヒット化合物および周辺化合物のin vitro ADME・物性評価 ② ヒット化合物のin vivo ADME評価

<過去5年間の主な実績>

(ア)ADME・物性コンサルティング(36件)、ADME・物性支援(34件)、非臨床POCの確立(5件)
(イ)in vitro/in vivo ADMEの課題抽出
(ウ)標的タンパクと化合物との共結晶が取得できなかった原因の究明
(エ)in vivo薬効試験で薬効が確認できなかった・毒性が発現した場合の原因究明(化合物の投与・採血は依頼者が実施、大阪大学との連携)
(オ)in vivo薬効試験実施化合物選抜・至適投与条件探索のためのマウス薬物動態試験(化合物の投与・採血は依頼者が実施、または大阪大学との連携)
(カ)in vivo薬効試験で薬効が確認できた際の血漿中濃度測定による裏付け、非臨床POCの獲得(化合物の投与・採血は依頼者が実施、または大阪大学との連携)
(キ)in vitro/in vivoサンプル中分解物・代謝物の推定による構造展開支援
(ク)核酸医薬品のin vitro薬効と細胞内濃度との比較による候補化合物の選定
(ケ)核酸医薬品候補化合物の代謝物推定

支援担当者の研究概要

【特色】製薬企業の創薬研究のエキスパート(各製薬企業から出向の現役創薬研究者および企業における創薬研究の経験者)を中心とした、創薬研究の専門家集団。

【目的】企業における医薬品開発研究の視点・専門知識を「実践的な創薬ナレッジ」としてアカデミア創薬に生かす。ヒット/リード化合物による病態モデル動物での有効性を検証(非臨床POCの取得)し、アカデミア創薬研究の成果を臨床試験の実施に向けた企業との共同研究等に繋げる。

【研究概要】上述の目的を達成するため、その特色を生かして、以下を中心とした支援を提供する。

① 支援依頼者に対するADME・物性コンサルティング
② ADME・物性評価

【情報セキュリティー】情報漏洩防止のため、現役の製薬企業出向者には帰任後等も含む高次の守秘義務が課せられている。また構造展開ユニット専用の実験設備を有している。

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